外構工事のメンテナンスは作ってもらった業者にすべき?
家を建てる際、多くの方がこだわるのが「外構(がいこう)工事」です。外構とは、建物の外側、つまり門扉・フェンス・アプローチ・駐車場・庭など、家の敷地内にある建物以外の部分を整備する工事のことを指します。住まいの第一印象を決めるだけでなく、防犯・プライバシー保護・利便性を担う重要な部分でもあります。
そんな外構も、年月が経つと少しずつ劣化したり、不具合が出てきたりします。そこで必要になるのが「外構のメンテナンス」。では、そのメンテナンスを行うとき、「工事を依頼した業者に頼むべきなのか」、それとも「別の業者にお願いするのも選択肢なのか」。今回はその疑問について、メリット・デメリット、業者選びのポイント、ケース別の考え方などを詳しく解説していきます。
目次
そもそも外構工事とは?
まず改めて、外構工事について簡単に整理しておきましょう。外構には大きく分けて以下のような工事があります。
- 門扉・門柱・門塀
- アプローチ(玄関までの道)
- 駐車場・カーポート
- フェンス・塀
- ウッドデッキ・テラス
- 庭園・植栽
- 物置・サイクルポート
家の顔となる外構は、建物のデザインや周囲の環境、生活スタイルに合わせてデザイン・施工されます。建物の引き渡しと同時に外構が完成しているケースもあれば、建物完成後に改めて外構工事を行うこともあります。
外構もメンテナンスが必要
家の外に常にさらされている外構は、雨風、紫外線、積雪、落ち葉など自然環境の影響を日々受け続けています。そのため、数年経てば劣化が進み、以下のような症状が現れることがあります。
- 門扉の開閉が重くなる
- コンクリートのひび割れ
- フェンスの歪み・倒れ
- 植栽の枯れ・伸びすぎ
- カーポートの屋根の破損
- ウッドデッキの腐食
こうした劣化を放置してしまうと、見た目の問題だけでなく、防犯や安全性にも影響を及ぼします。例えば、フェンスの倒壊による怪我、コンクリートの割れ目に足を取られる転倒事故、腐食したウッドデッキの崩落など、リスクは意外と身近に潜んでいるのです。
メンテナンスは工事を依頼した業者に頼むべき理由
それでは、メンテナンスを行う場合、工事をしてもらった業者に依頼するべきなのか。まずはそのメリットを見てみましょう。
工事の内容を把握している
施工した業者は、当時の設計図や使用した材料、施工方法、現場の状況を熟知しています。そのため、メンテナンスの際にも適切な方法や必要な材料の手配がスムーズです。特に特殊な仕様やデザイン、こだわりの素材を使っている場合、他の業者では詳細がわからず対応に時間がかかることもあります。
保証やアフターサービスが受けられる
多くの外構業者では、工事完了後に一定期間の保証を設けています。例えば「コンクリートのひび割れ保証3年」「植栽の枯れ保証1年」など。保証期間内であれば無償修理の対象になる場合もあるため、まずは施工業者に相談するのが得策です。
デザインや全体のバランスを考慮できる
外構は単体の修理よりも、敷地全体の調和が重要です。門扉だけ新しくしても周囲のフェンスやアプローチと雰囲気が合わなければ違和感が出てしまいます。施工業者であれば当初のデザインコンセプトを把握しているため、周囲とのバランスを考慮した提案が可能です。
別の業者に依頼するケースもある
一方で、以下のような場合は別の業者に依頼することも選択肢となります。
施工業者が廃業・連絡が取れない
特に数年以上経過していると、施工業者が廃業していたり、連絡先が変わってしまっていることもあります。この場合は、他の外構専門業者やリフォーム会社に相談することになります。
相見積もりで価格や内容を比較したい
メンテナンスも工事と同様、内容によって費用はさまざま。他の業者からも見積もりを取ることで、価格の相場や提案内容を比較できます。施工業者に依頼するのが最も安心ですが、費用面を考慮するなら複数社に相談するのもひとつの手です。
より専門的な技術や新しいデザインを求めたい
例えば、ウッドデッキを樹脂製に替えたい、最新の防犯カメラ付き門柱にしたいなど、今の施工業者の対応範囲を超えるようなリフォームを考える場合、専門業者に依頼するのが良いでしょう。特にエクステリア専門のリフォーム業者は、最新の商品や工法に詳しいことが多いです。
外構メンテナンス業者の選び方ポイント
もし別の業者に依頼する場合は、以下のポイントを押さえて選びましょう。
- 外構工事の実績が豊富か
- アフターサービスの有無
- 口コミや評判
- 提案内容のわかりやすさ
- 価格と内容のバランス
また、実際に現地調査を行った上で、状況に合った提案をしてくれるかも重要です。電話やメールだけのやり取りで即決せず、必ず現場確認をしてもらいましょう。
まとめ
まずは施工業者に相談、その後必要なら相見積もりも
外構のメンテナンスは、家の美しさと安全、快適な暮らしを守るために欠かせません。そして、基本的には「工事をしてもらった業者にまず相談する」のが賢明です。理由は、当時の工事内容や設計意図を把握していること、保証やアフターサービスの対象となる場合があるからです。
もし施工業者が対応できない、廃業している、もしくは費用や提案内容に納得できない場合は、複数の外構業者に相見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
外構も家の大切な一部。安心して長く使い続けるためにも、早めの点検と適切なメンテナンスを心がけましょう。
最後に
これから外構のメンテナンスを検討している方は、まずは施工業者に問い合わせ、必要であれば複数業者に相談してみると良いでしょう。長く快適な暮らしのために、ぜひ大切にしていきたいですね。