やってはいけない外構工事とは? ~後悔しないためのポイント~
家の第一印象を左右する「外構工事」は、住宅建築の中でも重要な要素の一つです。しかし、外構工事でよくある失敗やトラブルは後から修正するのが難しいため、事前にしっかり計画することが必要です。
このコラムでは、「やってはいけない外構工事」について、具体例や失敗例を挙げながら解説し、後悔しないためのポイントをお伝えします。
目次
土地の特性を無視した外構デザイン
地形や気候を考慮しない設計
日本には多様な地形や気候条件がありますが、それらを無視して外構デザインを決めると、後々のトラブルにつながります。例えば、排水計画を考慮せずにコンクリートを多用した場合、大雨で水はけが悪くなり、庭が冠水することがあります。また、雪が多い地域で滑りやすいタイルを使用すると冬場に転倒事故のリスクが高まります。
土壌の強度を確認しない
建物と同様に、外構工事でも土地の地盤の強度を考慮することが重要です。例えば、地盤が弱い土地に高い塀や重い石材を使用すると、地震時に倒壊のリスクが高まります。特に、地域ごとに異なる地盤の特性を無視して施工を進めるのは避けるべきです。
明確な目的・使い勝手を考えない設計
具体的なライフスタイルに合っていない
外構工事は「見た目」を意識しすぎると失敗しやすいです。例えば、小さいお子さんやペットがいる家庭で尖ったフェンスや鋭利な石材を使用すると、安全面で問題が生じます。また、将来のライフスタイルの変化を考慮せずに駐車スペースを狭くすると、車を買い替えたときにスペースが足りなくなることもあります。
実用性を無視した配置
庭のデザインや植栽の配置が、生活の邪魔になる場合もあります。例えば、ゴミ置き場が家の奥に配置されていると、毎日のゴミ出しが不便になります。また、植栽を密集させすぎると手入れが大変になり、結果的に荒れた庭になりがちです。
コストを重視しすぎて安価な施工業者に依頼する
質よりも価格を優先する
外構工事は大きな投資になるため、少しでも安く済ませたいという気持ちは理解できます。しかし、極端に安い業者に依頼すると、手抜き工事や低品質な材料を使用されるリスクがあります。例えば、安価なフェンスを設置した場合、数年で劣化し、再度修理や交換が必要になることも。
契約内容を確認しない
安価な施工業者に依頼した場合、契約書に施工内容が詳細に記載されていないことがあります。その結果、追加工事費用を請求されたり、施工不良が発生しても補償が受けられなかったりするケースがあります。
植栽の選定ミス
地域の気候に合わない植物の選定
外構工事で植栽を取り入れる場合、地域の気候や環境に適した植物を選ぶことが重要です。例えば、湿気の多い地域で乾燥を好む植物を植えると、枯れてしまい景観が損なわれます。また、成長が早い木を狭いスペースに植えると、枝や根が周囲に影響を及ぼすことがあります。
手入れが難しい種類を選ぶ
手入れが難しい植物を多く取り入れると、時間や労力がかかりすぎて庭の維持が困難になります。最初は「見栄え」を重視して選んだとしても、後々の手間を考えないと後悔することになります。
防犯対策を軽視する設計
外から見通しの悪い構造
プライバシーを重視しすぎて塀やフェンスを高くしすぎると、かえって防犯面で問題が生じることがあります。外からの見通しが悪くなることで、不審者が侵入しても気づかれにくくなる可能性があるのです。
照明設備が不十分
夜間の防犯対策として重要なのが照明設備ですが、これを忘れてしまうケースも多いです。庭や玄関周りが暗いと、不審者が侵入しやすい環境を作り出してしまいます。
施工後のメンテナンスを考えない設計
外構工事の設計段階でメンテナンスのしやすさを考慮しないと、長期的に問題が生じます。例えば、タイルや石材を選ぶ際に耐久性や清掃のしやすさを考えないと、定期的な補修や清掃が大変になることがあります。また、植栽の手入れを考えずに密植すると、剪定や除草が頻繁に必要になり、労力やコストがかさむ可能性があります。
法律や条例を無視した工事
外構工事では、地域の建築基準法や条例を守ることが不可欠です。例えば、道路に面した塀の高さや設置位置には規制がある場合があります。これらを無視して工事を行うと、後から撤去や修正を求められることがあります。特に、新築の際には施工業者がこれらの規則に精通しているかを確認することが重要です。
後悔しないためのポイント
外構工事で失敗しないためには、以下の点に注意しましょう。
計画段階で専門家に相談する
外構専門のデザイナーや施工業者に早い段階で相談し、土地の特性やライフスタイルに合った設計を提案してもらいましょう。
将来のことも見据える
家族構成やライフスタイルの変化を考慮し、長期的に使いやすいデザインを心がけることが大切です。
信頼できる業者を選ぶ
口コミや評判を参考にし、施工実績のある信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
メンテナンスを見越した設計を意識する
手入れや修繕が簡単であるかどうかを事前に確認し、無理のないデザインを選びましょう。
まとめ
外構工事は家の価値や住み心地に大きく影響する重要な要素です。「やってはいけない」ポイントを押さえ、計画的かつ慎重に取り組むことで、長く愛される家を完成させることができるでしょう。